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[建主様のご質問]では、建て主様からいただいた素朴な疑問について、ひとつひとつ答えていきます。もし建物づくりに関する質問がありましたら、メールにて受け付けています。

 

Q.竣工後のアフターフォロー・保証は?

 

この点は設計事務所はよくハウスメーカーと比較されます。ハウスメーカーの長期保証制度は一般的な保証期間よりずっと長い期間を保証しており一件安心そうですが、よく見ると一定期間経過ごとの「有料メンテナンス工事」の実施が保証延長の前提となっています。つまり、ハウスメーカーであってもなくても、いずれにしても一定期間ごとに定期的な点検を行って不具合を修繕していくことは必要だということです。その際、相手がハウスメーカー1社のみの場合は、言われるがままに出されるがままの見積もりでメンテナンス工事を行い続けるということにもなりかねません。手放しで安心したい、という気持ちの隙につけこまれないようにしたいところです。

 

新築する建物は、ハウスメーカーの建物に限らずどんな建物でも、下記の保証が得られる保険に加入することができます。

 

  • まもりすまい保険(住宅瑕疵(かし)担保責任保険)
    • 「構造耐力上主要な部分」「雨水の浸入を防止する部分」について、万が一不具合があった際の修繕費が保険金として支払われる保険。施工業者はこの保険への加入を義務付けられており、加入費用は工務店の工事費の中に含まれています。
    • 万が一工務店が倒産してしまった場合にも建て主に対して保険金は支払われる制度で、通常10年間、延長して20年間までの間保証されます。
  • 防蟻保証
    • 木造建物の場合に、建物の基礎に近い木部に防蟻処理を行うが、その部分の効果をメーカーが保証します。通常、保証期間は5年間。1)メーカーによっては10年間保証を謳っている場合もありますが、強い薬剤は人体に影響がある等の理由により5年以上の保証を行うことに関しては専門家の間でも議論があるようです。
    • 保証期間を気にすることも大事ですが、それ以前に、そもそも土台を地面から400mm以上離したり、床下を点検できるような設計にしておく等の設計上の配慮が必要です。
  • 地盤保証
    • 不同沈下が生じてしまった際の修繕費、一時転居費用などの費用が支払われる保険。保証期間は通常10年間。保証期間を20年まで延長可能なサービスもあるようです。2)ただし、さまざまな適用除外項目があったり、長期保証が謳われている場合はその内容を調べることが肝要です

 

基本はハウスメーカーの家であっても、住まい手自らが定期的に最低限の点検をされ、必要に応じて定期的に建築家や工務店に見てもらい、相談してその都度修繕していくことが家を長持ちさせることに繋がります。

 

また、建設時の設計図書をきちんと保管しておくことによって、不具合への対処のスピードは格段に変わってきますし不要な調査費用を省くこともできる場合もあります。図面や施工記録さえしっかりしたものがあれば、ハウスメーカーの家であってもどんな設計士や工務店でも補修対応は可能ですので、メンテナンス時に複数の選択肢を持っておくためにも、施工記録の提出を求めましょう。3)建築士法で建築士は設計を行った建物の図面を一定期間保管しておかなくてはならないという規定がありますので、設計者側には記録は保管されています

 


他のよくいただくご質問は、[建主様のご質問 / FAQ]にまとめています。ご依頼に関するご質問はこちら

References   [ + ]

1. メーカーによっては10年間保証を謳っている場合もありますが、強い薬剤は人体に影響がある等の理由により5年以上の保証を行うことに関しては専門家の間でも議論があるようです。
2. ただし、さまざまな適用除外項目があったり、長期保証が謳われている場合はその内容を調べることが肝要です
3. 建築士法で建築士は設計を行った建物の図面を一定期間保管しておかなくてはならないという規定がありますので、設計者側には記録は保管されています