建築家・村野藤吾の作品、著作メモ

 

180109日生劇場
日生劇場にて『黒蜥蜴』を観劇。江戸川乱歩原作、三島由紀夫脚本、デイヴィッド・ルヴォー演出。ステージの上で演者が口にするセリフが、離れた席に座っていても耳元で聞いたかのように鮮明に聞こえる。演者の熱や息遣いも伝わってくる。あたりまえのことなのだけれど、生の演技、生の演奏が発する情報量は画面やヘッドフォンから見聞きするものとはやっぱり異なる。初演ともなればたまにミスもあるけれど、そもそも演劇とは人間が演ずるもので、生きているものなのだ。見るものを飽きさせず、非日常感を演出するしつらえは息をのむ。床壁天井の表面のつくりかただけで人の印象や経験はここまで高揚するのだろうか、と感嘆する。一見クラシカルな装いをしていながら、おそらく建物を設計した建築家は実はクラシックな様式には興味がないのだろう。スタイルのまぜあわせを破綻なく違和感なく納める天才的なマジシャンのよう。メタリックなアールデコ調のエントランスから、クラシカルな赤絨毯のホワイエ、そして海をモチーフにしたホール。利用者にとってわかりやすく親しみやすい建物でありながら、設計者としては「建物のカタチでで特別なことをしなくても、ここまでできるんだぞ」と迫られているかのようであった。アールデコ調の天井もウロコのようなホールのインテリアも、素材感がレトロな感じがしてそれはつまりデザインが陳腐化してるということなのかもしれないけど、この建物の場合はそれがえもいわれぬ味わいを醸し出していて愛着が持てるんだろうな。
    

 

 

 

 

 

 

 

日生劇場 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

 

 

180107 ルーテル学院大学
面とボリュームの操作によるすさまじい数のアーティキュレーション。しかし、何のためのアーティキュレーションだろう?想像を逞しくして考えてみた。
理由①集落のような建物群にするため。ラ・トゥーレット修道院や中世の修道院のように、大学をひとつのコミュニティのためのちいさな街としてとらえたから。部屋を平面的にずらす程度では分節の度合いが足りないと判断したため。
理由②コンクリートの可塑的な性質を使って、コンクリートでしかできない造形の可能性を追求したかったため。
敷地の奥にあった別棟の建物の集落感とプランの合理性の兼ね合いに感銘を受けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

171218 千代田生命本社ビル(現・目黒区総合庁舎)

村野藤吾→隈研吾→中村拓志ラインの確認。数寄屋、モダン、日本庭園、アルキャスト、表現主義風テッセラ。これだけの要素を取り込みつつ、全体的な調和もあり、現役で使われ続けるオフィスビル。名人芸すぎて目眩がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

171020 『村野藤吾作品集 1964-1974』『村野藤吾建築案内』