クリスチャン・ボヌフォア展@メゾン・エルメス銀座
会場構成は中山英之さん。
140111
*写真はメゾン・エルメスのファサード
《見るー見られる関係》の解体と利用の混在

 

展示作品を壁に貼って展示する。そこでは《見る》主体と《見られる》対象の関係がはっきりしている。古典的なこの展示スタイルは展示の基本であり、作家へのリスペクトからすれば当然であり否定すべきものではない。

しかし、この作品のためにデザインされたこのジグザグの壁は、空間にフィットするために高さをもジグザグに変え、時として《見る》主体を覆い、空間として立ち現れる。この時《見る》主体であった鑑賞者ははじめて作品群の作り出す空間に囲い込まれていることに気付く。特権的な位置から《見る》ことを放棄せざるを得なくなった鑑賞者は、作品群の中で作品群を体験することになる。

 

と、まあそういうわけで、会場構成というお題を与えられた時の考え方としてとても共感するところが多い展示でした。

《見る》《見られる》の関係をブチ壊して《見る》側が作品に囲い込まれるという方法は、平田事務所で担当させてもらったのanimated knotでも試みていたし、《見る》《見られる》の関係をひっくり返しつつも一部であえて保存し、二つのあり方を共存させたロンドンでの平田さんの個展『tangling』(こちらも担当させてもらった)という試みも行われてきている。
遠いようでいて意外と近いところにあるかもしれない中山さんという建築家の考えに触れて、すこし嬉しくなりました。