「対話から始めるデザインを通して丁寧に課題を発見・解決することで、クライアントをより一層豊かにすることができる」

 

 

丁寧にプロセスを積み上げたデザインで建築・空間をつくることで、クライアントはより快適で健康な生活を営めたり、自信を持って来客をもてなすことができたり、リラックスできることでビジネスに集中できるようになったり、テナントや入居者に長く使い続けてもらえるようになったり、豊かな未来を手に入れることができます。

 

 

デザインを通してつくるべきものは表面的なカッコよさや装飾でも、早く安く手に入る消費財でもなく、クライアントがよりよい未来を生きることができるための空間的な工夫や設えです。

 

 

そのように考えるきっかけとなる、2つの経験をしました。

 

Ⅰ.東日本大震災の復興プロジェクトに関わったことで、建築家としてピンチを迎えたことがあり、様々な方に助けられながら、次のようなことを学びました。

 

・本当に必要なことに、クライアント自身が気付いていない可能性があること。そのため、設計の前提条件を鵜呑みにした急いだプロセスだと、誰も悪くないのに誰も幸せにならない事態があり得るということ。それを避けるために、対話やリサーチ、他の専門家との連携が必要であること。
・クライアントだけでなく、クライアントをとりまく人々、関係者、隣人、街、自然との関係を丁寧に整えて行くことで、結果的にクライアントがいちばん豊かさを享受できること。その価値は最終的にクライアントが一番強く実感できること。

 

Ⅱ.東日本大震災のあった年に、息子が生まれ、私の価値観を変えました。

 

それまであまり深く考えずに生活できていたものが、急に環境が変わりました。例えば子どもが夜泣きすることは雨が降ることと一緒で、それが起こってしまったことに文句を言っても何も始まらない。とにかくそれに向き合って、付き合って、対応しなくてはものごとは前に進んでいかない。これは津波や地震などの自然災害とも通じるものがあります。建築はもともと雨や風など天候に対して守られた空間をつくるための方法ですが、使う人、隣人、隣の建物、既にそこに生えている樹、その場所から見える景色、目の前の道路の交通量など、既にそこにある条件を無視することなく、しかし適切に取捨選択して取り込むことで、長く使われるに堪える建築・空間を創り出すことができます。

 

 

丁寧なプロセスを経ることで、建築事業に否応なく関係してきてしまう様々な関係性を丁寧に調整でき、結果としてクライアントの得る豊かさが最大化できます。

 

 

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